十三人目の怒れる男

公認会計士を目指してた男のいろいろなアレ

悪の華 9巻

惡の華(9) (少年マガジンコミックス)

惡の華(9) (少年マガジンコミックス)

週刊や月刊で現行の漫画を買うという行為をジョジョリオンでしかしたことがないので悪の華の発刊ペースに驚きを隠せませんが、週刊ならこれが普通なんですか…ね?

さて今回の9巻で気になったところをば掻い摘んでいきましょう。

 

・常盤さんとの微妙な関係の終焉

彼氏の居る常盤さんに本が好きという共通点で密接に関わりあう春日

その微妙な関係を牽制するように晃司(彼氏)は自分と常盤との繋がりをアピール

彼氏と彼女であるという現実を突きつけられ好きな気持ちを誤魔化し逃げの一手に沈もうとするも、本当の自分(本が好きであるという常盤)を見せてくれた意味を感じ取り、恥を捨てて彼氏の居る常盤さんに好きだと伝える春日。

読んでて肌が粟立ちました。

形は違えど幽霊のような生き方(春日は中学時代の悪事を隠す為他人にふわふわと協調し深く関わらない事・常盤は本が好きという外見とはかけ離れた地味な自分を出すタイミングを失っており周りには彼氏ですら隠している事)をしてきた二人が、まず常盤の方から自分を曝け出し作品全体としては春日の幽霊を殺す展開になってまいりました。

佐伯さんの「あの子も不幸にするの?」との問いが効いたのもある。

 

単行本の1ページ目(背表紙っていうんだっけ?)に一貫して書いてある作者の言葉

「この漫画を、思春期に苛まれているすべての少年少女、かつて思春期に苛まれたすべてのかつての少年少女に捧げます。」

との言葉の通り、思春期に苛まれ間違いを犯した人間がどうやってその罪と向き合っていき公正していくのかが非常に丁寧に漫画として描かれてると思います。

罪を犯したわけではないけれど、私自身も思春期に犯した間違いというのがあって未だにもやもやしてるどうしようもないクソムシですが、この作品を見て非常に救われた気分です。

決別すべき部分は決別して、反省して次に進むということが大切ですね。

 

ちなみにこの漫画3巻ごとに表紙のテイストが変わってるんですが物語の展開的にも表紙のリズム的にも12巻で終わるようになってるんですかね。

ネタが無いというか広げる必要は無いけれど、もっと読んでいたい作品なので終わりが近づいてるのが感じられて寂しいです。